筋膜性腰痛症

若くても腰痛は起こります。特に中学生前後になると、筋膜性の腰痛が多く見受けられます。

筋肉の柔軟性が失われています

 筋膜性腰痛は、腰の筋肉に炎症を起こすことで、痛みを生じる障害です。痛みの生じる場所は、脊柱を中心とした両方又は片側です。運動中の急激な動作や長時間の無理な姿勢などで発生し、子供の場合は骨の成長に筋肉がついて行けなくなり、痛みを生じることがよくあります。
 また、この腰痛を訴える子供は、腰椎を前屈させる動き(おじぎ)と、立った状態での前屈で、手の指を伸ばしたまま床につけることが出来ないという特徴があります。これは、前述したように、急激な身長の伸びと筋肉の成長がアンバランスなことが原因で、背部から大腿後面にある筋肉の柔軟性が失われた結果です。

 

 この症状が慢性化してしまうと、完治が遅れてスポーツへの復帰までに時間費やすことになります。筋膜性腰痛症は、主訴である痛みの部分をマッサージなどをしても、根治には繋がらず繰り返す痛みに悩まされることが多いようです。
 代表的な問題は、大腰筋の拘縮(持続性収縮)です。大腰筋は直立姿勢時に骨盤を前傾位置に保つ作用があります。簡単に言うと猫背にならないようにしています。他にも、股関節の屈曲や、それらの拮抗筋とバランスを取り、前後に倒れないようにしています。大腰筋が拘縮し続けると、腰背部の負担が強まり、過緊張などから痛みを生じます。

大腰筋の拘縮チェック

・長時間イスに座っていると、起立時に腰が伸びにくく痛い
・長時間起立時に腰痛になる
・絶えず腰がダルイor重い
・中腰が辛い
・猫背になりがちで、背筋を伸ばすのが困難
・寝るときは横向きで股関節を曲げて寝るほうが楽
・朝起床時に痛いことが多い
・下腹が出ている
・ヒップが下がっている

 運動の前後には筋肉の拘縮を緩和させるために、ストレッチを十分行うことが重要です。子供の腰痛を成長痛と思って軽視していると、アンバランスな身体が原因となり、将来椎間板ヘルニアの原因にもなりかねません。