思春期偏平足

アーチが減少します

 足の足底部分(土踏まず)のアーチが失われ、見た目で平らになってしまう障害です。小学生から高校生の時期にかけて発生したものを「思春期偏平足」と呼んでいますが、大人でも同じく起こります(図1.)。
 偏平足は足底アーチを作る筋肉の弱化や、骨と筋肉との成長バランスが崩れることで発生します。この状態が続くと「足底筋膜」や「後脛骨筋(図2.)」に過剰な負担がかかってしまい痛みを生じるようになります。筋膜痛みは歩行にも支障が出るため、他の部位にも負担が伝播して、オスグット病セーバー病になるケースも考えられます。早目の対処が必要です。

図1. 足底部分のアーチが減少する

図2. 後脛骨筋

 

 ジャンプをして着地をする際、体重の何倍もの負荷が掛かります。この応力を和らげるために、太ももの大腿四頭筋やハムストリングス筋、下腿三頭筋、そしてこの足底のアーチが重要な役割を担っています(図3.)。
 足底のアーチが失われることにより、地面からの力が直接的に膝や踵(かかと)に伝わってしまいます。大人の場合、ハイヒールを履くと外反母趾等の偏平足になると言われますが、まさにハイヒールは地面から入る応力方向が不自然な形になる典型です(図4.)。

図3. 足底のアーチの重要性

 

図4. ハイヒールによる応力侵入

他の場所へも波及

 足の構造は複雑で、足から全身のバランスを崩すことがよくよく起こります。例えば、肩こりや腰痛は、一見、肩や腰のおける問題のように思われがちですが、足の関節の位置関係が正常でないと、重力に対して抵抗して立っていることになります。このことから、全身の筋緊張を招き、結果的に各部分に痛みを感じる結果と成りうるわけです。