靭帯損傷

関節が正常な可動範囲で保たれているのも、全ては靭帯による固定があるからです。

関節の破壊を防ぐ

 靭帯は関節部で骨と骨を繋ぐ重要な役割を担い、運動を行う上で重要な組織です。たんぱく質が主成分の筋肉とは違い、靭帯は軟骨などと同じ、コラーゲンを主成分としています。このことから、収縮率も筋肉とは大きく異なり、靭帯は伸び縮み殆どしません。そのため、一度伸びてしまうと縮みにくいことから、障害を受けてしまった場合、完治が難しくクセになってしまうことが多いのです。
 靭帯損傷は、肘や膝にある側副靭帯や膝の十字靭帯で頻発し、膝の十字靭帯断裂は、バスケットボールやバレーボールのようにジャンプと急な方向転換を多用するスポーツに多く見られます。また、足首の捻挫による靭帯損傷も多く見られる症例ですが、厄介なのは、捻挫の範囲で靭帯に損傷がない軽度なのか、靭帯にまで損傷が及んでいる重度なものなのか、見た目では判断しにくいことです。
 心配な時は、整形外科でしっかり診断を受ける方が良いでしょう。単なる捻挫と思っていても、骨折がある場合もありますので注意が必要です。
 整体目線でいえば、足や膝の靭帯を傷めることで、腰に負担が掛かるため、腰痛を発症する子がいます。靭帯損傷部位に対しては施術は出来ませんが、他の部位の負担を軽減することは可能です。

図1. 足首の靭帯