肉離れ

肉離れは、筋肉そのものが損傷を起こすものです。

動かすと強い痛みが生じます

 足に起こる肉離れは、筋肉の痙攣から来る「足のつった痛み」と混同されがちなスポーツ障害です。肉離れは足がつるのとは比べ物にならないほど厄介な症状です。
 肉離れとは、筋繊維や筋膜に傷がついてしまうもので、広範囲で深い損傷なため、完治するまで数週間以上かかる場合もあります。また、誰しもが経験のある筋肉痛は、肉離れよりも軽度です。微細な筋繊維の断裂に留まるため、この場合、治癒も3~4日程度あれば痛みは感じなくなります。
 肉離れが生じやすいのは、大腿の筋肉では、太ももの前側にある、大腿四頭筋やハムストリングス、下腿では腓腹筋です。これらの筋肉は、身体の全重量を支えるため、強い筋力が必要です。肉離れは、こういった強い筋力を持つ筋肉が収縮している際に、自分が出した筋力に耐え切れず、部分断裂を起こすことで生じます。
 筋肉痛は、筋肉組織の筋線維が断裂しているのに対し、肉離れは筋膜や筋肉組織自体が部分断裂しているので完治には時間がかかり、筋肉のスポーツ障害の中でも長引きやすい性質を持っています。それに加え難儀なのは、完治後に再発しやすいという点です。すべてのスポーツの基盤となる下肢に起こる障害なだけに、再発が続くことでスポーツを続けていくことが困難になることもありえます。
 整体の目線では、下肢の筋肉は骨盤のズレによって緊張を起こします。特に、肉離れを起こした側の足は、痛みから緊張を起こし、対側に比べて足の長さが短くなります。つまり、骨盤のズレを整える事で、下肢の筋肉に掛かる負荷を取り除くことができます。その結果、損傷を起こした部位の治癒が速くなります。

図1. 肉離れ側の足が短くなる